眠りのカギを握る「デフォルト・ネットワーク」

現代のビジネスマンは毎日多くのタスクを頭の中に持っています。
目の前に解決しなければならないタスクが山ほどあると、ベッドに入ってもなかなか寝付けないものです。

そのような時に「羊が一匹、羊が二匹・・・」と数える人がいるかもしれませんが、それは脳科学的に言えば間違った睡眠へのアプローチです。睡眠というのは、脳が外部から入手した情報にその都度反応せずに休んでいる状態なので、頭の中をいかに空白にできるかが睡眠の準備としては重要なのです。

なぜ、このような空っぽの状態が必要かというと、脳のメンテナンスは目を閉じて安静にしている時でも行われているからです。この無意識の状態でも機能する脳回路の働きは「デフォルト・ネットワーク」と呼ばれています。
このデフォルト・ネットワークとは、「記憶」「イメージ」「運動」「感情」といった脳の各部位を中央でまとめる役目を担っています。普通、人間の脳は何かを考えていたり、何かに没頭している時には活発に働いているのですが、デフォルト・ネットワークは例外で、休息をしている時にこそ活性化しているのです。

睡眠時にアイマスクをする人がいますが、これは外からの情報をさえぎって、脳をメンテナンスモードに切り替える効果があるので、まさにデフォルト・ネットワークを活性化させている状態だと言えます。
つまり、睡眠前に何も考えないようにして頭の中を空白にすることこそ、良質な睡眠へのアプローチになっているのです。

「睡眠負債」という言葉が巷で聞かれるように、睡眠の質の良し悪しは人生自体も大きく左右します。健康的で快適な日々を送るためにも、睡眠環境はしっかりと整えておきましょう。睡眠についてさらに詳しく知るなら、睡眠改善計画のサイトを一読されることをおすすめします。